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広葉樹シンポジウム・啓発の森見学ツアー②

2020年9月8日(火)、北海道知内町内会館にてウッドファミリー株式会社と合同で『広葉樹シンポジウム』を開催しました。
(同タイトルの①に関しては、こちらのひとつ前の記事を参照ください。)
午前中には知内町内の「啓発の森」を見学し、広葉樹・針葉樹あわせて約20種類もの樹木に触れました。

シンポジウムではふたつのプログラムを用意し、ひとつはウッドファミリー岡田社長による「広葉樹学入門講座」を。こちらの内容はひとつ前の記事にてお読みいただけます。

そしてもうひとつは、講師に森林ジャーナリストの田中淳夫氏(以下、田中さん)を迎え、「広葉樹は希望の林業になりうるか」をテーマに講演いただきました。

田中さんは静岡大学農学部林学科を卒業後、出版社、新聞社などへの勤務を経て独立。現在はフリーランスで森林、林業、山村問題などのほか、歴史や民族をテーマに執筆活動を行っている日本で唯一の森林ジャーナリストです。

主な著作は『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『森は怪しいワンダーランド』(新泉社)、『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』(築地書館)、『絶望の林業』(新泉社)など、その数は20冊を超えます。

私たちチャネルオリジナルは、国産の広葉樹を使用することを推奨しています。それは純粋に価値ある良質な材を使って良さを実感していただきたいのはもちろん、それが広く伝わり、使用いただくことで森のサイクルを再生させ、激減してしまった広葉樹を復活させることを目指す、という情熱があるから。

屋久島地杉プロジェクト同様、弊社が取り組む製品づくり、販売力が林業の活性化に繋がることを常に考えます。

そしてこのシンポジウムを通して私たちから広葉樹の魅力を存分に伝え、また田中さんによる林業の現実と希望を込めた講演から、参加された一人ひとりの意識がより良く変わっていくこと。一人ひとりが様々な想いや意見をもち、未来に行動していただきたい・・そんな想いを込め、今回の開催に至りました。

シンポジウムには定員いっぱいの60名が参加。また、知内町長の西山和夫氏も自ら足を運んでくださり、開会の挨拶として登壇していただけました。

西山町長は代々、「森は海の恋人。広葉樹の枯れ葉が海を耕す」ときいてきたそう。渚に枯れ葉が絨毯のように敷かれ、磯の環境が整えられ、植物・動物プランクトンや小魚が集まる。それが豊かな海につながっている、と教えられたそうです。
町長はこれを機により森林・林業についての理解を深め、林業関係者の進化を止めぬよう協力していきたいとし、聴講した方には森林づくりに対する理解の醸成と、新たな販売戦略構築に向けて有意義なものにしていただきたい、と話してくださいました。

今回の講演で田中さんは、もうひとつのテーマとして「絶望の林業と広葉樹林業の希望」を設定。林業の現状は、聞けば耳が痛くなるような様々な問題が山積みとなっています。
住宅着工件数縮小、B材・C材のみの海外輸出や売れ行き、盗伐、材価の下落など・・
詳しくは田中さんの著書である「絶望の林業」にて取り上げられておりますので、ぜひ多くの方にお読みいただき知ってもらいたいと思います。

そんな状況から林業の未来をどう変えるべく行動すべきなのか。

今必要なのは「質の林業」といえます。そのためには材の価値を保ち(落とさず)、そして上げていくこと。
特に広葉樹材は針葉樹と比べると高価なもの。この価値のまま多くの方に使っていただき広めていくことが、まず私たちにできる大切なことのひとつといえるでしょう。

人が木材に抱くイメージの多くは感覚的なものです。親和感があり、温かみを感じるというデータもあります。
そしてやはり最も高い価値の1つは「見た目」にあるのではないでしょうか。
人の木材に対する期待は強度よりも、それを大きく上回るのが「官能(視覚・触覚・嗅覚)分野」です。
よって構造材としてももちろんですが、視界に入り触れられる部分=内装・外構・家具などに多くの質の良い木材を使用することが大切です。
そしてそれらにより適した広葉樹に、商機があると考えられます。

今ある材料からお客様の望む商品を工夫して生産していき、その価値を高めること。このプロダクトアウトの思想をもとに、それを持続的に利用し、山へ還元し循環していけることが大切だと田中さんは言います。
今、樹林の偏った伐採による資源不足などによって、再び森づくりに注目があつまっています。
またその考えを引き継いでいけるよう、レクリエーションなども各地で行われているそう。
森林環境の維持向上のためには、これからのわたしたちの行動がカギを握っているといえるでしょう。

弊社グループ会社であるウッドファミリーの、広葉樹に対する膨大な知見と製造能力を最大限に活かし、それを販売・拡大、持続させることがチャネルオリジナルとしての意義だと考えます。

講演後には沢山の質疑応答もあり、大盛況に終わりました。
林業関係者だけでなく、製造・販売などすべての木材関係者に聴講してほしい大変興味深く考えさえられる内容でした。
本だけでなく、機会がありましたらぜひ、田中さんの講演へ足を運んでいただけたらと思います。

チャネルオリジナルとしてこれからもできることは、国産の広葉樹を、身近にある豊富な恵みを与えてくれる資源として、質の良い製品として、お客様の生活に根付くよう広めること。
それが林業の活性化への貢献となることを目指し行動を続けていきます。