東大阪の家 「我慢しない省エネ」体感会

2020年2月3日(月)~5日(水)の3日間、大阪府東大阪市にて「高断熱・高気密+自然素材の家」の体感会が弊社社員の自邸にて行われました。

弊社がかねてより取り組む「チャネルオリジナル的グリービルデイング」。その事業に携わる弊社社員が自ら設計・管理・施工まで全て携わったセミDIY の建築です。
材料のみならず、気密断熱の施工方法まで、お客様にご提案できることを目的にしています。

自身の学びを自分の家で具現化し、その素晴らしさをお客様に伝えようとこれまで複数回開催されてきた当イベント。
これから高断熱・高気密に取り組もうとしているお客様に向け、実際の住まいを体で感じていただける非常に価値のある機会です。

■建築概要
建築面積:45.6㎡
延床面積:96.19㎡
構造:木造2×4
階数:2階
外皮・気密性能
Q値0.96
Ua値0.34 
C値0.3

取材は初日のお昼頃。今回は名古屋からのお客様の訪問に同席させていただきました。
この日の外気温は約12度と例年に比べ少し暖かい気温ではありましたが、風があったため気温のわりに冷え込みました。

入ってすぐに違いを感じる

まず、玄関に入って最初に感じたことは「生活臭がない」こと。これは換気と、快適に過ごすため計算しつくされた設計による効果です。

換気はローヤル電機 全熱交換型24時間第1種換気装置 SE200RSを使用。

給気と排気の熱交換を行いながら換気をしています。家の温度を保ちつつ換気を行うことができるので、室内空間を快適にするとともに、冷暖房費の節減効果も。

湿度と温度の両方を交換することで室内環境を維持しやすく、関西では夏に湿度を60%以下に、冬に40%以上に管理がしやすい特徴があります。

こちらの物件は洗面脱衣所、トイレ、お風呂が同じエリアにあり、排気は洗面脱衣所に集めていました。きちんと換気がされていれば水回り臭や生活臭はでなくなるとのこと。

また、ニオイは湿度の高い空気に多く含まれます。通常の換気では排気できなかった湿度の多い空気は暖気と共に上にのぼっていくので、湿気やニオイが発生しやすいキッチン・トイレの天井高を下げ、リビングの天井高を上げて空気が移動しこもらないよう設計されていました。

左奥右側の引戸がトイレ。天井高は1850mm。そこから手前洗面脱衣所の天井高をあげ、移動してきた空気をそのまま排気へ。
洗濯物はこちらで干しており、扇風機を1台置いているのみでした。湿度は、高いほうから低いほうへとも移動しますが、湿度がありすぎると飽和状態になり移動しにくい状態に。そこで扇風機の風をあて飽和膜をやぶり、更に、干している場所の目の前にあるドアをルーバードアにすることで移動しやすく工夫されていました。

こちらはキッチン。手前にリビングがあり、その天井高は2200です。
空気の移動がきちんと計算された作りになっています。

体で感じるあたたかみ

次に感じたことはなんといっても「あたたかい」こと。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、先ほどから写っている窓はすべて「UNILUX」です。
こちらの物件では全てのサッシにUNILUXを採用しております。

前出の記事『コラボレーションから生まれた「高性能マイスターデザイン」住宅』 にも記載したとおり、ヨーロッパ最高基準のサッシです。
当家主も、「うちの主暖房は窓」というほどの性能のよう。

吹き抜けに大きな1枚窓を2枚。扉タイプもUNILUXです。
付加断熱は100mmのロックウール、中は充填でグラスウール、そして気密シートを貼っています。

各、子ども部屋の窓にもUNILUXを採用。

2階の一室。エアコンはこちらに1台あるのみで、この日暖房はついていませんでしたが、

室内気温は24.8度、湿度43%と快適な空間をキープ。午後になり外気温も少しあがりましたが、それでも約10度の差。室内では冬でも半袖で十分快適に過ごすことができます。
窓×断熱×気密でここまであたたかくなるのです。

また、フローリングはアッシュ(広葉樹)を使用。床下には給気を1本入れているのみですが、それにより床下の空間と室内の温度が近い状態に保たれ広葉樹でも冷たくなりにくく裸足で過ごせます。こちらの床穴に手をかざしても、ほとんど空気は感じません。

こちらは室内への給気です。風の流れを壁に向けることによって、人に直接あたらず不快感がまったくありませんでした。

耳で感じる静けさ

しばらくこちらのお家で過ごさせていただいてふと気付いたこと、それは「静けさ」でした。
しっかり換気されていて、ここまで暖かいのに、暖房はついておらず、気流感がないことでとても静かなのです。

当家主も、立って動き説明しながらで感じるのとはまた違う感じ方があるので、必ずお茶を飲んでゆっくりくつろいでいただく時間をあえて設けているとのこと。
静かで、過ごしやすい気温で、ニオイもない。「快適」とはこういうことなのかと気付ける時間だと確かに感じました。

断熱・気密性能を上げても、窓を従来のアルミサッシにしてしまうと熱が奪われたり、冷気・熱気を感じてしまいます。反対に窓の性能だけを上げても、建物の表面温度が上がら(下がら)ないため室内温度は保たれません。

電気代・ガス代に費用をかけ続けるのか、最初に建築に費用をかけ後の暮らしにかかるコストを下げるのか。ランニングコストと建築コストのバランス、それを自ら実現したこの物件はまさに「グリーンビルデイング」です。

そして、それに関わる断熱材・気密部材・換気・窓の全てを取り扱ってこその建築資材販売会社―これが弊社担当の深い思いです。
また性能だけでなく、デザインや素材にこだわった自然素材によるエクステリア・内装材・キッチンやインテリアなどの「自然」「エコロジー」を目指した弊社商品を採用しチャネルオリジナルとしてのこだわりも見せています。

これから30~50年たったとき、初めてその価値が本当にわかるのだと思います。
体感した皆様には、きっとこの快適さが「我慢することなく作ることの出来るもの」だと知っていただけたと思いますし、これからこういった省エネルギーな住宅が増えていってほしいと考えてくださったと思います。

自邸とはいえ、材料の選定のみならずここまでやってしまう知識の豊富さと、住宅への情熱には、自社の社員ながら感服します。
更に外壁や内装材などのセンスも良く、お客様からの評価もとても高くいただいておりました。
「性能はもちろん良いに越したことはないが、デザイン性も兼ね備えた住宅がなかなかない」とおっしゃる方が、この物件を見て、そのイメージを180度変えられたとの感想。
その後お問合せも多くいただいております。

チャネルオリジナルは、今後もこのカテゴリーの知見をしっかりと持った社員によるお客様へのご提案を更に広めてまいります。

ぜひお気軽にお近くの営業所までご連絡ください。

これからも省エネルギーで住み良い家、「チャネルオリジナル的グリーンビルデイング」が増えていくことを心から願っています。