卵の殻は卵殻(らんかく)といって、硬質で卵の内部を保護する役目をしています。そのセブンは約94%が炭酸カルシウムでできています。厚さは、0.26~0.38mmの多孔質で、その小さな穴のことを気孔(きこう)と呼びます。その気孔の数は、卵1つに7000~17000もあります。この気孔で胚(はい:ヒヨコになる部分)の呼吸に必要な酸素を取り入れ、内部で発生した炭酸ガス(二酸化炭素)を排泄するガス交換を行っているのです。つまり、気孔には命を生かすすチカラがあるということができます。この微細な穴をそのまま壁材に応用したエッグウォールは、命を生かすのと同じメカニズムで、生活集などの臭いを吸収したり、余分な湿気を吸収する働きをもっています。
卵は昔から庭づくり用の有機肥料や卵殻膜においては擦り傷部分に貼り、傷の治療として使用されたりしています。先人たちは、暮らしの中で身近にあった卵を、毎日の生活の中で実に様々な用途において使用してきたのです。さらに、卵殻の主成分である炭酸カルシウムは様々な食生活のシーンでも使われてきました。身近なところでは、パンやビスケット、がんもどきなどの総菜や粉末果汁、揚げ物の衣、肉などの加工品、味噌、レトルト食品にも炭酸カルシウムは使用されています。更に、排出されていた卵殻をリユースすることで資源を循環させ、その貴重な資源を次の世代へ引き継いでいくのです。