屋久島地杉に包まれた新拠点から始まる、〈大幸綜合建設〉の地域価値創造とまちづくり

“いしきりさん”の愛称で親しまれる、石切劔箭(つるぎや)神社。
大阪府東大阪市にあるこの神社は病気平癒のご利益で知られ、全国から多くの人々が参拝に訪れます。神社の発展とともに栄えてきた周辺地域一帯は、かつて「石切銀座」と呼ばれ、多くの飲食店が軒を連ねる賑やかな街並みが広がっていたそうです。

「今はだいぶお店も少なくなって、人と人のつながりや、地域全体の賑わいが薄れてきたように感じます。だからこそ、不動産事業を通して活気を取り戻せたらと思うんです」

そう語るのは、東大阪市に本社を構える〈大幸綜合建設株式会社〉(以下、大幸綜合建設)代表取締役の表孝典様です。1947年に大工工務店として創業した同社は、住宅の新築・リフォーム・建設事業を幅広く手がける総合建設会社として、地域に根ざした事業を展開しています。

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2024年には、不動産事業〈DAIKOプラス〉を始動。
新事業の拠点として、本社向かいの空きビルをリフォームし、事務所を開設されました。不動産売買をはじめ、不動産の活用提案や高齢者の住み替え支援など、地域課題に寄り添った総合的な取り組みを行われています。

地域の方がいつでも立ち寄れて、不動産や暮らしのことを気軽に相談できる“ハチの巣”のような場所にしたい——そんな想いを込めてつくられたという事務所で、表様と住宅事業部 部長の西田宏則様にお話を伺いました。

訪れた人をやさしく包み込む、設計と素材の工夫

「見学会では、皆さん『おおーっ』と声をあげてくれてね」と、事務所にご案内くださった表様。

その言葉どおり、床・壁・天井に至るまで〈屋久島地杉〉で統一された空間の力強さに圧倒されつつも、木の芳醇な香りに包まれるうちに、体がほぐれていくような心地良さを感じました。

屋久島地杉
国内年間平均降水量の2倍を上回る降雨環境で育つ屋久島地杉。特異な環境下で育つことから、一般的な杉と比べて油分を多く含んでおり耐久性・耐候性に優れる。ヒノキ科やスギ科といった樹木の香りに含まれているαセドロール(リラックス・安眠効果を発揮する)の成分量が高く、室内空間に安らぎや癒しをもたらす効果を持つ。外壁、デッキ、フローリングなど多岐にわたる製品をラインナップしている。

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床には節のある材を用いることで、屋久島地杉の豊かな表情を活かした仕様に。
一方、壁と天井には節のない材を設え、すっきりとした印象に仕上げられています。これらの使い分けと丁寧な施工によって、木視率100%でありながらも軽やかで洗練された空間が広がります。

屋久島地杉の採用理由について表様に伺うと「吉野の杉や桧とも迷いましたが、外から内まで連続性のある意匠にしたかったこと、そして土足での利用も想定していたため、油分が多く耐久性に優れる屋久島地杉を選びました」と、嬉しいお言葉をいただきました。

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高断熱・高耐震な木の家〈DAIKOstyle〉と屋久島地杉の外壁

不動産事業部と密に連携する住宅事業部では、2019年より自社住宅ブランド・DAIKOstyleを展開しています。

「高断熱・高耐震な木の家」をコンセプトに、標準仕様では「断熱等級6以上、C値0.5以下、耐震等級3」を実現。数値の高さだけでなく、それらの性能を支える設計・検査体制が万全に整えられている点も、本ブランドの大きな魅力です。

具体的には、許容応力度計算や温熱シミュレーションを自社内で実施するほか、第三者機関と自社による二重の検査体制を整備。さらにオプションでは、建物と地盤の微細な揺れを観測する常時微動探査にも対応するなど、性能を裏付ける取り組みを徹底しています。

また、設計住宅性能評価書・建築住宅性能評価書、BELS、長期優良住宅など各種認証の取得にも対応し、住宅の資産価値を長期的に維持できる体制も構築されています。

こうした体制の根底にあるのが、創業時から大切にされている「街の家守り」という想いです。設計・施工から品質保証、メンテナンスまで一貫して取り組み、年月を経ても安心して暮らせる、そして次世代へと受け継ぐことができる“ロングライフな家づくり”に尽力されています。

住宅事業部をまとめる西田様は、今後の展望についてこう語ります。

西田様
「不動産事業部ができてからは、3~4棟の家がある(集落のような)小さなまちづくりをやってみたいと考えるようになりました。また、そこに緑豊かな共用の庭をつくることで、繋がりを生み出す場を設けられたら良いなと。大阪駅のうめきた公園なんかを見ていると、よりそう思いますね」

また、DAIKOstyleでは、外壁材に屋久島地杉を定期採用いただいております。その理由について伺うと——

「屋久島地杉プロジェクトの意義に共感していることが大きいです。ただ、使い始めた当初は品質面での課題があり、チャネルさんと協議を重ねながら改善を進めてもらいました。今は、大和張りっぽく見えるような相じゃくりの仕様に落ち着いて。ある意味、商品開発のような感じでしたね。今では少しずつ、全面張りの住宅も増えてきていますよ」

根ざし、守り、紡ぐ――大幸綜合建設のこれから

取材終盤、「もっと早く不動産事業に取り組みたかった」と語る表様。
その言葉の奥には、地域住民が抱える課題への深いまなざしと、まちづくりへの強い想いがありました。

表様
「長くお付き合いしているお客様も多いので、相続の問題って本当にさまざまだと痛感します。親族から受け継いだ家に住むのか、壊すのか。事情によっては空き家になってしまうことも少なくありません」

「だからこそ、不動産事業から携わることで、より多角的なアプローチができると思うんです。

土地を仕入れて売って終わり、ではなく、まずは敷地の個性や周辺環境を活かした“まちづくり”から考えたい。そこに高性能住宅(戸建て・賃貸)や施設を建て、その後も“家守り”として関わり続ける。そうすれば、住み継がれる家が増え、一人ひとりに合った選択肢も広がりますし、相続の問題にも深く寄り添えるはずです。

地域の皆さんに長く支えていただいているこそ、これからは地域全体の活性化につながる取り組みを、より一層進めていきたいですね」

長年、地域に寄り添いながら信頼を築いてきた歩み。
その積み重ねがあるからこそ、新しい事務所に舞い込む一つひとつのご縁が、やがて地域の新たな価値を育み、活気ある未来を形づくっていくのだと取材を通して感じました。

実際に、大幸綜合建設を訪ねるお客様の中には「“大幸さん”って馴染みがあるから」と話す方や、DAIKOstyleの物件を見かけて気になっていたという方も多いそうです。

そんな温かなご縁が集まる新しい拠点に、屋久島地杉をご採用いただけたことを心から嬉しく思います。
貴重なお話を聞かせてくださった表様、西田様、本当にありがとうございました。

大幸綜合建設株式会社

大阪府東大阪市東山町18番20号
https://daikosogo.co.jp/

 弊社納材商品

内部床:屋久島地杉フローリング 節有 18㎜x165㎜x1,950㎜
内部壁・天井:屋久島地杉フローリング 節無 18㎜x165㎜x1,950㎜
外部壁面:屋久島地杉 節無 糸面取 15㎜x125㎜x2,800㎜
外部デッキ:屋久島地杉 節無 4面プレーナー 30㎜x162㎜x1,950㎜

チャネルオリジナルは、国内外の多様な建材のご提案を通じて、お客様の家づくりと真摯に向き合い、価値ある家づくりを支えるパートナーでありたいと考えています。それぞれの現場や想いに寄り添えるよう、今後も全力でサポートを続けてまいります。