自分に帰る場所-LOTUS Deck Camp Resort FUJI-            

富士山の麓に位置し、周囲をなだらかな山々に囲まれた山中湖。そこから車を5分走らせた閑静な別荘地にLOTUS Deck Camp Resort(以下、LOTUS と略称) FUJIがあります。設計・施工をしたのは、プライベートキャンプ事業を手がけるストロベリーフィールズ。代表取締役の柿崎 浩司様にオープン前のLOTUS FUJIに招いていただきお話を伺いました。

LOTUSのはじまり

ストロベリーフィールズは、屋根・外装の施工を専門とする株式会社いらか(神奈川県平塚市)代表の成田 崇様と、ウッドデッキをはじめとした外構の施工を専門とするHeaven’s Garden(神奈川県藤沢市)代表の柿崎様とのコラボレーションによって2019年に設立。1日1組限定のプライベートキャンプ場LOTUSの設計、施工、運営まで行ってらっしゃいます。2021年4月にオープンしたLOTUS北軽井沢に続き、この夏、2号目となるLOTUS FUJIがオープンしました。

LOTUSの誕生について柿崎様は次のように語ってくださいました。
「僕はウッドデッキを普段から作っていて、成田さんは外壁や外装を専門としているので、こういうこと(LOTUSの設計)は比較的得意でした。二人ともキャンプが好きで、本当に自分たちが行きたいって思えるキャンプ場がなかなかないよねって話をしていて。そんな時、長野県の野沢温泉付近にウッドデッキのキャンプ場があると聞いて成田さんと一緒に行ったんです。キャンプ場は一般的に地面が凸凹なのがデフォルトなんだけど、ウッドデッキだと平らなので快適に過ごせるから、これいいねって二人で盛り上がりました。その経験を参考に、電気や水周り、そしてサービスを整えてアップデートさせたキャンプ場がLOTUSの原型なんです。」

宿泊された方限定でお渡しされている『LOTUSオリジナルウイスキー』。
このウイスキーと共に大自然を味わっていただきたいです。

森に囲まれながらウッドデッキの上で過ごすという“新しいキャンプ場の在り方”にインスピレーションを受け、柿崎様と成田様の最強のタッグによって、いままでにない快適さを追求し誕生したLOTUS。「本当に必要なものはなにか」というコンセプトを掲げ、余計なものはあえて減らし、自分本来の感覚と向き合う場所として訪れる人を魅了しています。

LOTUS FUJI

都心から東名高速で約90分。さらに山中湖周辺を抜け、山林の小道をのぼっていくと、黒いモダンな外壁が特徴のLOTUS FUJIが斜面に腰を下ろすように佇んでいます。この場所をお選びになった決め手を次のように教えてくださいました。

「北軽井沢をご覧になった方から山中湖の土地を紹介されたのがきっかけです。それを機に訪れてみると、山中湖へのアクセスの良さと、湖周辺とは異なる環境に魅了されました。湖の辺りは平地なので夏は暑いけど、ここは木に囲まれて涼しいんですよね。 この土地の北側には今後家が建たないという条件があって、なるべく余計なものを視界に入れない、森にフィーチャーさせるというLOTUSが掲げるビジョンとそのアドバンテージが重なったことが大きな決め手となりました。それによって“自然の気持ちよさだけを抽出したデザイン設計”を実現しているんです。」

自然の気持ちよさだけを抽出したデザイン設計とはなにか。
こだわりのひとつは床の高さにあるのだと柿崎様は言います。

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「例えば地上から3.2mの高さに床を設定したことで、鬱蒼とした木々の足元は見切り、幹や枝葉などの美しいところだけが見えるようになっています。それから、この高さだから湿気が上がってこないのもポイントですね。湿気がないのでカビが生えず、森の香りだけを体感することができるんですよ。」

さらに、南東側に立つ建物が視界に入らないように、建屋の高さを調整。その内外装に採用いただいたナチュレウォール ベベルサイディングは、周囲の自然環境を最大限に活かすためにあえて黒に塗装を施し、主役を引き立たせる“黒子”の役割を果たします。

屋久島地杉SAUNA

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ローリュをしながら60~70℃をキープして20分。TARTERに注がれた水につかり、Colmanのインフィニティ―チェアで整う。
このルーティーンが最高なのだと柿崎様へ教えていただきました。

こんなところでサウナができたら幸せだろうな、と思った矢先『TARTER』の銀色のタンクと『Coleman』のインフィニティチェアが目に留まります。まさかと扉を開くとそこには、屋久島地杉をふんだんに使用した4人用のサウナがありました。中に入ると、地杉の香りが身体を包み、屋久島の森のなかにいるような不思議な感覚になったのを覚えています。
スクリーンを設置したことで森のシアターを楽しむことのできるLOTUS北軽井沢に対して、山中湖の豊かな自然環境を存分に味わってほしいという想いからこのサウナが作られたのだそうです。

ウッドデッキのこれから

柿崎様とチャネルオリジナルの出会いは屋久島地杉をご採用いただいたことに始まります。
それまでHeaven’s Gardenのウッドデッキ材には、主にブラジル産のイペやインドネシア産のウリンといったハードウッド(南洋材)をメイン商材として使用されてきましたが、近年の拍車をかけている気候変動を前にハードウッドを使い続けることへの疑問を抱き始めたのだと柿崎様は言います。

「お客様に上質なものを提供するという観点ではハードウッドはもちろん問題ないけれど、環境を犠牲にしているんじゃないかって以前から感じていて。ハードウッドは植えてから成木に育つまで200年くらいかかるので、切っていくスピードと植えていくスピード、少なくとも次の世代に残せるところまであるのかということを考えると、厳しいような気がしています。」

そういった環境への危機感から、今回のLOTUS FUJIには弊社独自のプロジェクトによる屋久島地杉を採用いただきました 。同プロジェクトは、屋久島の樹齢60年~50年以下の産業林を有効活用し、その循環性を自然へと還元していくことを目指しています。この取り組みを柿崎様に共感いただき、LOTUS FUJIをはじめ、個人邸のデッキ材にも屋久島地杉をお選びいただいております。

取材の終盤、柿崎様にとっての家づくりを訊ねると、

「場所を活かす、人を生かすということを同時にやるという『本質の追求』です。オーダーされる方は、その場所でなにができるのか、どんな可能性がある、と考えるのは難しいと思います。だからこそプロとして一般の方では想像がつかないところの提案をするのが非常に重要なんじゃないかな。」

まさに周囲の環境を活かしたことで、訪れた人が「本当に必要なものは何か」という気づきを持ち帰る場所となったLOTUS FUJI。そんなやさしい時間のそばに屋久島地杉をお選びいただき誠にありがとうございました。

最後に

インフィニティチェアに腰を掛けてみて。と柿崎様に勧められ、椅子に身を委ねた時、森のシャンデリアと称されるエゴノキの花が、地杉のウッドデッキを照らすようにそっとより掛かっていることに気づきました。その様子があまりにも美しくて、自分が普段あまりにも自然から離れて暮らしていることを思い知らされました。LOTUS FUJIにはそんな自然の美しさ、心地よさを無条件に木々が与え、人間が受け入れる、目には見えない平等な関係性があるように思いました。

今回の取材に際しご協力いただいた柿崎様、本当にありがとうございました。(Hieshima)

・会社情報
LOTUS FUJI
〒401-0502 山梨県南都留郡山中湖村平野648-27
Heaven’s Garden
〒252-0813 神奈川県藤沢市亀井野1515
Tel:0466-90-0555 Fax:0466-90-0557
いらか
〒254-0088 神奈川県平塚市北豊田624
TEL(046334-3501