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建築資材で環境共生社会の実現を目指す

屋久島視察ツアーレポート

2019年11月26日(火)~29日(金)、仙台営業所のメンバーによる「屋久島視察ツアー」が開催されました。
お客様と共に屋久島を訪問し、屋久島地杉プロジェクトをはじめ林業の歴史を学び、世界自然遺産の森を体感することが主たる目的です。

ご参加くださったお客様は、
岩手県より株式会社HAUS様、北海道よりアーケン株式会社様、同じく北海道よりTHE EIGHT WORKS様

そして今回のもうひとつの目的は、島を体感することで改めて屋久島地杉の魅力を知ってもらい、北海道・東北エリアでの屋久島地杉プロジェクト製品の取り組みをより強化することです。

改めて「屋久島」について

屋久島の面積は504.88km2 周囲約130kmからなり、島の約9割が山岳地帯です。24の集落があり、約13,000人が居住しています。
年間の降水量は多く、平地で東京の2~3倍の4,300mm、標高1,000mを超えると8,000mmにもなります。交通量が少ないため、排気ガスなどをあまり含まないしっとりした奇麗な雨が降るそうです。

屋久島の杉の原始林は、1924年に天然記念物、1954年には特別天然記念物に指定されました。そして1993年、白神山地とともに日本で初めて世界自然遺産へ登録されました。その面積は島全体の約21%です。その理由として、

・北は北海道、南は沖縄まで日本全国の植生が垂直に分布していること
・各地で現象している照葉樹林が原生状態で残されていること
・日本の固有主である杉の優れた生育地であること

などが挙げられています。

屋久島の杉では樹齢2,000年~7,200年ともいわれる「縄文杉」が有名ですが、樹齢1,000年を超える保護種を総称で「屋久杉」といいます。そして1,000年以下の保護種を「小杉」といいます。これらは保護区内にあるもので現在伐採はできません。

戦後、屋久島由来の杉の植林が島内で進められ、現在樹齢約6~70年前後となっている人工林の杉を「地杉」といいます。屋久島地杉プロジェクトで扱っているのがこの「地杉」です。
屋久島の遺伝子をもった人工林であるこの「屋久島地杉」を活用し、屋久島の林業の復活を目指すため立ち上がったのが本プロジェクトです。

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視察ツアーの日程は4日間とたっぷり設け、ガイドはもちろん「屋久島ツアーガイド 旅樂様」にお願いしました。

◆屋久島視察ツアー日程
11/26(火) 旅樂事務所・ギャラリー見学、屋久島地杉のバス停、屋久島町庁舎、牛床詣所、屋久島自然館
11/27(水) 小杉谷集落跡地、ウィルソン株、縄文杉
11/28(金) 大川の滝、センバスビレッジ、屋久島地杉加工センター、環境文化村センター、いなか浜
11/29(土) 淀川の森

-1日目-

旅樂様事務所・ギャラリー

写真2枚目が建築約8年ほど、3枚目が約1年半ほど。経年変化の出方がわかりやすく、どちらも美しく緑とよく合っています。

屋久島地杉のバス停 (株式会社彦根建築設計事務所 彦根アンドレア様設計 弊社後援)

Sankara hotel&spa屋久島様により設立された「サンカラ基金」、鹿児島県農林水産課の「木のあふれるまちづくり事業」をはじめ、さまざまな方々のサポートがあり実現しました。
体験学習として建築やデザインを学ぶ島外の学生たちと一緒に作られ、今では人気のスポットとなっています。

屋久島町役場・新庁舎

屋久島地杉をふんだんに使用し建築されています。
役場としての機能だけでなく、町民や観光客へ向けた観光情報等を紹介する場を目的としたスペース「やくしまフォーラム」も設けられています。

牛床詣所(うしどこもいしょ)

屋久島は険しい山々が多く、古くから「山岳信仰の島」でした。
ここは、山岳信仰の重要な行事である「岳参り」のときに、山に詣でていた男たちを家族が出迎えた場所だそうです。女人禁制の時代、婦人や子どもたちは日頃ここで安全祈願などを拝んでいたといいます。

屋久杉自然館

屋久島の森の歴史

屋久島地杉と屋久杉の年輪の差。左が屋久島地杉で右は屋久杉です。

江戸時代、腐食に強い屋久杉は、米の代わりの年貢として納められ幕末までの薩摩藩の財政を支えていたそうです。平木2,310枚で米俵一俵分として換算されていました。

―2日目―

AM6:00 縄文杉を目指し荒川登山口から登山を開始。

登山工から縄文杉までは約11kmあり、その約8割がトロッコ道です。大正12年から昭和44年まで、森林鉄道として伐採した屋久杉の運搬に使われていました。

場所によりさまざまな美しい景色が見られます。

小杉谷集落跡

途中、小杉谷集落のあった辺りに学校跡があります。この集落は1970年に閉鎖するまで屋久杉伐採の拠点として栄えていたそうです。

ウィルソン株

樹齢推定3,000年の巨木です。内部が朽ちて10畳ほどの空間ができており中に入ることができます。中から見上げるとハート型に見えることから、観光スポットとして人気があります。
その他、道中にさまざまな杉を見ることが出来ます。

こちらは大王杉。

夫婦杉。

翁杉、など。

縄文杉

旅樂さんの丁寧なガイドを受けながらゆっくり進むこと6時間半、縄文杉に到着です。

縄文杉の樹齢は2140年以上、更に7200年以上で世界最古の植物、と諸説あります。
その姿はとても神々しく、皆様息をのまれていました。

―3日目―

大川の滝(おおこのたき)

本の滝百選に選ばれている滝です。その落差は九州一で88m!圧巻の景色でした。
台風の際は岩が隠れるほどの水量になるそうで、地元の人は台風の中でも見に行くほどの景色なのだそうです。

その後センバスビレッジ(詳しくはリンク先のサイトをご覧ください。)を訪問したのち、
屋久島地杉加工センターへ

屋久島地杉加工センターでは、丸太の一次加工を行っています。

丸鋸の対応直径は40cmまで、それ以上の丸太は島内の帯鋸を所有している製材所でカスタムカットが可能です。

こちらは種から苗木を育てているところです。より良い遺伝子を残すため、ここからまっすぐ伸びた素直な種だけを選りすぐって植林していくそうです。

屋久島地杉加工センターの建物自体は設立前からあります。外壁に使用されている屋久島地杉も10年以上無塗装の状態でありますが、大きな割れなどひとつもなく、その耐久性・耐候性の高さを改めて実感しました。

その後環境文化村センターを訪問、最後にウミガメの産卵地として有名ないなか浜で夕日をみて3日目は終了です。

―4日目 最終日―

淀川の森トレッキング

最終日は淀川の森をトレッキングし、屋久杉のほかにモミやツガなどの巨木もたくさん見ることができました。屋久島でなければ決して味わえない世界。参加してくださったみなさまが、それぞれ屋久島の魅力を再確認し、屋久島地杉材に対する想いも強まったのではないかと確信しています。

ただ、本プロジェクトには課題もあります。現状、加工センターには皮むき機がなく、製材の際、側板の部分を大きく剥いでいるため捨てる部分やオガ粉がたくさん出てしまっています。
これは現在の製材ボリュームでは機械を導入するに至らないためです。
余った部分・オガ粉の活用法を考えること、そして機械が導入できるほどの製材ボリューム・出荷量となるよう今後一層努めなければなりません。

屋久島地杉材の利用価値を高め販売量を増やし、当時林業で栄えていた時代のように産業林を機能させること。そして雇用が増え、最終的に島全体が活性化することを常に目標とし、これからの活動を進めていきたいと考えています。