【書籍のご紹介】『時を経て、趣のある家』-技拓株式会社様

潮の香りがふんわりと漂い、気持ちのいい風が駆け抜ける街、湘南・鎌倉。
山と海のあいだに位置する自然豊かな鎌倉は、いつの時代も人々の心を魅了しつづける街のひとつだと思います。

そんな鎌倉の街を歩いていると「わぁ、素敵!」と、思わず目を惹かれてしまう板張りの家に出会うことがあります。海の近く、丘の上の住宅地-時が経過してもなお記憶が蘇る、心の高揚を感じられるあの光景は鎌倉ならではないでしょうか。

こうした豊かな街並みを家づくりの面から支えられてきたのは、鎌倉山に本社を構えるホームビルダーの技拓株式会社様です。現会長を務める白鳥和正様が会社を設立されたのは1974年のこと。当時の日本は高度経済成長による影響で社会が大きく変化し、自然素材を用いた伝統的な家づくりが少なくなっていた時代でした。
白鳥会長は、世代を超えて受け継がれていく自然素材を用いた家-「長く愉しめる家」を日本につくりたいと思いたち、設立から一貫して、耐久性と耐腐朽性に優れたカナダのウエスタン・レッドシダーを外壁に使用した家づくりを行われています。

技拓様は、カナダの自然素材を日本の家づくりに広めたパイオニアであり、弊社も創業当時から技拓様の家づくりに多くのことを学ばせていただきました。また、ウエスタン・レッドシダーの外壁材と屋根材を提供させていただきながら、湘南エリアを起点とした豊かな街並みの広がりに日々喜びを感じております。

1975年竣工・技拓様第1号のM様邸。シングルサイディング貼りの外観は圧巻です。

今年で設立48年目を迎えた技拓様。長年家づくりに向き合いつづけた想いと、その軌跡が綴られた『時を経て、趣のある家』が2022年2月24日に出版されました。これまで手がけられた800棟のなかから記念すべき第1号目の御宅、そして昨年完成されたばかりの御宅まで、計12軒のお住まいとお施主さまの暮らしがひとつずつ紹介されています(内1軒は白鳥ゆり子社長自邸)。

また、白鳥会長と現代表の白鳥ゆり子様が語るこれまでの歩み、自然素材や建築工法へのこだわりなど、技拓様が真摯に向き合われてきた家づくりへの極意も記された貴重な一冊となっております。

紙面に登場されているお施主さまの中には、地元の方だけでなく、他県から移住された方や湘南を離れられた方もいらっしゃいます。今までどのような家で、どのような人生を歩み、暮らしを営んできたのか。日常の写真とともに綴られたエピソードからは、さまざまな住まい手に寄り添いつづける技拓様の姿勢と、そこから生まれる深い信頼関係が伝わってくるようです。

また、お施主さまごとにレイアウトや暮らし方は異なるものの、ページをめくるごとに共通していると感じられたのは、住まいへの深い愛情と日々の暮らしを楽しまれているお姿。庭の野草が花開き心を躍らせたこと、家具の手入れが楽しくなったこと-豊かな暮らしは、こうしたささやかな喜びから生まれるのだと思います。

社会の変化によって建築や街並みが変わりゆくなかでも、木の家が50年、100年と持ち、次の世代にも受け継いでもらいたい、というしたたかな信念を持ち続けてきた技拓様。時を経て、趣のある家々から伝わるその想いを、ぜひお手に取って感じられてみてください。(Yano)

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「時を経て、趣のある家」
著者 :技拓株式会社
発行者:平野健一
発行所:株式会社主婦の友社
〒141-0021
東京都品川区上大崎3-1-1 目黒セントラルスクエア
Tel(編集)03-5280-7537(販売)03-5280-7551

技拓株式会社(HP
神奈川県鎌倉市鎌倉山3-16-16
0467-38-1628

住む人(HP
「住む人」は技拓様が年に1回発行されている小冊子。
ウェブマガジンも掲載されています。
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